2024-01-19
産後パパ育休(出生時育児休業)
「産後パパ育休(出生時育児休業)」は、男性が育児休業を取得しやすくするために、2021年に育児・介護休業法が改正されたことに伴い新設された制度です。この制度は、男性版の産休としても知られ、子どもの出生直後に特に焦点を当てたものです。
産後パパ育休の概要
- 施行日: 2022年10月1日から施行されました。
- 対象期間: 子の出生後8週間以内です。
- 取得可能日数: 最大4週間まで取得可能です。
- 申し出期間: 原則として2週間前までに申し出が必要です。
- 分割取得: 2回に分割して取得が可能です。
- 休業中の就業: 労使協定を締結している場合、休業中に労働者が合意した範囲で就業が可能です。
- 併用: 通常の育児休業と併せて取得が可能です。
休業中の就業についての手続き
- 労働者が事業主に就業の条件を申し出る。
- 事業主が労働者に就業の候補日・時間を提示する。
- 労働者が提示された内容に同意する。
- 事業主が就業に関する通知を行う。
休業中の所得保障(出生時育児休業給付金)
- 支給金額: 休業開始時の賃金の67%が基本です。ただし、一定の条件を満たす場合、手取りの満額に引き上げられることもあります。
- 支給上限額: 2023年7月末時点で、日額上限は1万5,190円、総額上限は28万4,964円です。
- 支給要件: 雇用保険の被保険者期間が12ヶ月以上あり、休業中の就業日数が制限内であることなど。
社会保険料の免除
産後パパ育休期間中は、被保険者負担・事業主負担ともに月給・賞与にかかる社会保険料(厚生年金保険料、健康保険料)が免除されます。
パパ休暇との違い
「パパ休暇」と「産後パパ育休」は異なる制度です。パパ休暇は通常の育児休業に付随する特例制度で、子の出生後8週間以内に育児休業を取得・終了した場合に再度取得できるものでした。しかし、産後パパ育休の新設により、パパ休暇制度は廃止されました。産後パパ育休は、通常の育児休業とは別に新設された制度で、子の出生後8週間以内に4週間まで取得でき、分割取得や通常の育児休業との併用も可能です。
柔軟な制度とその影響
この制度の新設や、通常の育児休業制度の改正により、男性は育児休業を最大で4回に分けて取得できるようになります。これにより、男性が長期間仕事を離れづらいという問題を解消し、男女共に仕事と育児の両立が図れるようになります。共働き世帯が多い現代においては、男性が柔軟に育児休業を取得できることで、女性の職場復帰がしやすくなるなどのメリットも期待されています。
まとめ
産後パパ育休は、男性の育児参加を促進し、職場復帰をしやすくするために設計された制度です。分割取得が可能で、休業中の一定範囲内での就業も認められており、育児と仕事のバランスをとりやすくすることを目指しています。また、育児休業給付金による経済的支援も提供されています。このような柔軟な制度によって、育児と仕事の両立が促進され、男女平等な社会が実現することが期待されています。
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