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2024-07-23

特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)

はじめに

現代の経営環境において、多様性と包摂性は企業の競争力を高める重要な要素です。その中で、特に就職が困難な高齢者や障害者を積極的に雇用することは、社会的な責任を果たすだけでなく、新たな視点やスキルを企業にもたらす可能性があります。本記事では、経営層の皆様に向けて、特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)について詳しく解説し、その効果的な活用方法をご紹介します。

特定求職者雇用開発助成金とは

助成金の概要

特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)は、高年齢者や障害者など、就職が困難な方をハローワークや職業紹介事業者の紹介により、継続して雇用する事業主に対して支給される助成金です。これにより、これらの特定求職者が安定した雇用を得る機会が増え、企業側も多様な人材を確保することができます。

対象となる求職者

この助成金の対象となる求職者は以下の通りです:

  1. 60歳以上の高年齢者
  2. 母子家庭の母
  3. 身体障害者および知的障害者
  4. 重度障害者
  5. 精神障害者

支給額と支給期間

支給額は対象者の種類と雇用形態によって異なります。以下に、代表的な支給額と支給期間を示します:

対象労働者支給額助成対象期間支給対象期ごとの支給額
短時間労働者以外の者[1]高年齢者(60歳以上)、母子家庭の母等60万円
(50万円)
1年
(1年)
30万円 × 2期(25万円 × 2期)
[2]重度障害者等を除く身体・知的障害者120万円
(50万円)
2年
(1年)
30万円 × 4期(25万円 × 2期)
[3]重度障害者等(※1)240万円
(100万円)
3年
(1年6か月)
40万円 × 6期(33万円※× 3期)※第3期の支給額は34万円
短時間労働者(※2)[4] 高年齢者(60歳以上)、母子家庭の母等40万円
(30万円)
1年
(1年)
20万円 × 2期(15万円 × 2期)
[5]重度障害者等を含む身体・知的・精神障害者80万円
(30万円)
2年
(1年)
20万円 × 4期(15万円 × 2期)

注;( )内は中小企業事業主以外に対する支給額および助成対象期間です。

※1「重度障害者等」とは、重度の身体・知的障害者、45歳以上の身体・知的障害者及び精神障害者をいいます。

※2「短時間労働者」とは、一週間の所定労働時間が、20時間以上30時間未満である者をいいます。

助成金の申請方法

申請のタイミングと手続き

助成金の申請は、助成対象期間が終了した後、2か月以内に行う必要があります。申請書は管轄の都道府県労働局長に提出しますが、ハローワークを経由して提出することも可能です。具体的な手続きについては、最寄りのハローワークまたは都道府県労働局にお問い合わせください。

必要書類

申請に必要な書類は以下の通りです:

  1. 助成金支給申請書
  2. 雇用契約書の写し
  3. 雇用者の賃金台帳
  4. 助成対象者の勤務実績表

これらの書類を揃えた上で、期日内に提出することが重要です。

助成金の活用メリット

多様な人材の確保

特定求職者の雇用は、企業にとって多様な視点や経験を取り入れる絶好の機会です。高齢者は豊富な経験と知識を持ち、障害者は特有のスキルや強みを発揮することが多いです。これにより、企業の創造性や問題解決能力が向上します。

社会的責任の遂行

企業が特定求職者を雇用することは、社会的責任を果たす行動として評価されます。これにより、企業のイメージ向上やブランド価値の増大が期待できます。また、助成金を活用することで、経済的な負担を軽減しつつ社会貢献を実現できます。

助成金による経済的支援

助成金は企業の経済的な支援となり、新たな雇用を創出するためのコストを軽減します。これにより、企業はより多くの特定求職者を受け入れることが可能となります。

助成金の効果的な活用法

事前の計画と準備

助成金の効果的な活用には、事前の計画と準備が不可欠です。まず、どのような特定求職者をどのポジションで雇用するかを明確にし、必要なサポートやトレーニングを準備することが重要です。

定期的なフォローアップ

特定求職者を雇用した後も、定期的なフォローアップを行い、彼らが円滑に業務を遂行できるようサポートすることが大切です。これには、定期的な面談やスキルアップのための研修が含まれます。

助成金の効果測定

助成金を活用した雇用施策の効果を測定し、改善点を見つけることも重要です。雇用した特定求職者のパフォーマンスや企業全体への影響を評価し、次回以降の助成金活用に反映させることで、より効果的な雇用促進が期待できます。

まとめ

特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)は、高年齢者や障害者などの就職が困難な方々を支援するための重要な制度です。この助成金を活用することで、企業は多様な人材を確保し、社会的責任を果たしながら経済的な支援を受けることができます。効果的な活用には事前の計画と準備、定期的なフォローアップ、そして効果測定が不可欠です。

経営層の皆様には、この助成金制度を積極的に活用し、社会に貢献しながら企業の成長を促進していただきたいと思います。詳しい情報や具体的な手続きについては、最寄りのハローワークや都道府県労働局にお問い合わせください。

公共職業安定所(ハローワーク)または都道府県労働局 ハローワーク URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/hellowork.html#whereishello work 都道府県労働局 URL:http://www.mhlw.go.jp/general/sosiki/chihou/

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