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2024-12-17

SL理論~状況に応じたリーダーシップ

はじめに

経営者やマネージャーにとって、チームを効果的に導くリーダーシップを学ぶことは不可欠です。SL理論(Situational Leadership)は、部下の成熟度に応じてリーダーシップスタイルを調整することで、チームの成長と成果を最大化する理論です。本記事では、このSL理論について分かりやすく説明し、大学生にも実践しやすい内容にまとめました。


SL理論とは

SL理論の誕生

SL理論は1977年、ポール・ハーシィ(P. Hersey)とケン・ブランチャード(K. Blanchard)によって提唱されました。この理論は、リーダーシップは「状況によって変化すべき」という考え方に基づいており、部下の成熟度に合わせてスタイルを調整することで最大の効果が得られるとされています。

SL理論の基本構造

SL理論では、縦軸に「仕事志向」、横軸に「人間関係志向」をとり、リーダーシップスタイルを以下の4つに分類しています:

  1. 教示型(指導型)
  2. 説得型(コーチ型)
  3. 参加型(カウンセリング型)
  4. 委任型(エンパワーメント型)

これらは、部下の成熟度に応じて使い分けるべきスタイルです。


4つのリーダーシップスタイル

1. 教示型(指導型)リーダーシップ

部下がまだ経験不足で、仕事に不慣れな場合に適したスタイルです。具体的で詳細な指示を与え、行動を促します。このスタイルではリーダーが主体となり、タスク志向が強く、人間関係志向は低めです。

  • :新入社員に対して、業務の進め方を一から教える。

2. 説得型(コーチ型)リーダーシップ

部下がある程度業務に慣れてきた場合に適用されます。リーダーは自分の考えを丁寧に説明し、部下の疑問に答えながら業務を進めます。このスタイルはタスク志向と人間関係志向の両方を重視します。

  • :部下に自分の考えを伝えつつ、改善案を一緒に考える。

3. 参加型(カウンセリング型)リーダーシップ

部下がさらに成熟し、自律的に動けるようになった場合に効果的です。リーダーは部下の意見を積極的に取り入れ、サポート役に回ります。このスタイルでは、人間関係志向が高く、タスク志向は低めです。

  • :部下と相談しながら新しいプロジェクトの進め方を決める。

4. 委任型(エンパワーメント型)リーダーシップ

部下が完全に自立し、高いパフォーマンスを発揮できる場合に適したスタイルです。リーダーは必要最小限の関与にとどめ、部下に権限を委譲します。

  • :部下に重要なプロジェクトを任せ、結果のみ確認する。

SL理論を実践するためのステップ

1. 部下の成熟度を見極める

部下の経験やスキル、モチベーションを観察し、それに応じて成熟度を判断します。例えば、タスクが初めてか、どれだけの自信を持っているかを評価します。

2. 適切なリーダーシップスタイルを選ぶ

部下の成熟度に応じて、最適なリーダーシップスタイルを選びます。一つのスタイルに固執せず、状況によって柔軟に調整することが重要です。

3. フィードバックと改善を行う

リーダーシップスタイルが適切だったかどうかを振り返り、必要に応じて調整を行います。部下とのコミュニケーションを大切にし、成長を促すサポートを続けます。


まとめ

SL理論は、リーダーシップを状況に応じて調整することで、チームの成果を最大化するための効果的な手法です。大学生の皆さんも、この理論を学び、将来のリーダーシップに役立ててみてください。まずは身近なプロジェクトやグループ活動で試してみることをおすすめします!

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