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2025-02-21

株価収益率(PER)とは?

はじめに

株式市場において、企業の価値を評価する指標は数多く存在します。その中でも、株価収益率(PER:Price Earnings Ratio)は、企業の収益力と市場評価の関係を示す重要な指標の一つです。本記事では、経営層向けにPERの基本概念、計算方法、投資判断における活用方法について詳しく解説します。

株価収益率(PER)とは?

PERの基本定義

PER(株価収益率)とは、株価を一株当たりの利益(EPS:Earnings Per Share)で割った値を指します。具体的な計算式は以下の通りです。

PER=株価÷EPS

ここで、EPS(1株当たり利益)は、以下のように算出されます。

EPS=税引き後当期利益÷発行済み株式数

このPERが示すのは、「現在の株価が企業の1株当たり利益の何年分に相当するか」という点です。例えば、PERが15倍であれば、現在の株価は1株当たりの利益の15年分に相当することを意味します。

PERの活用方法と投資判断

PERの解釈

PERの数値は、企業の収益力に対する市場の評価を反映しています。

  • PERが高い → 市場が企業の将来成長を期待し、株価が高めに評価されている。
  • PERが低い → 市場の成長期待が低い、もしくは利益が安定しているが過小評価されている。

しかし、PERが高いからといって必ずしも割高とは限らず、PERが低いからといって必ずしも割安とは言えません。

業界ごとのPERの違い

PERは業界によって基準が異なります。

  • 成長産業(IT・テクノロジーなど) → 高PER傾向(20倍以上)
  • 成熟産業(製造業・インフラなど) → 低PER傾向(10〜15倍)

したがって、PERを評価する際には、同業他社のPERや業界平均と比較することが重要です。

PERのメリットと限界

PERのメリット

  1. 簡単に企業の株価評価ができる
  2. 他社比較がしやすい
  3. 過去のデータと比較可能

PERの限界

  1. 利益変動の影響を受ける(一時的な利益増減でPERが大きく変動)
  2. 業種による違いを考慮する必要がある
  3. 赤字企業には適用できない(EPSがマイナスの場合、PERが計算できない)

経営層が知るべきPERの活用法

1. 自社の株価評価に活用

自社のPERが業界平均と比べて高すぎる、または低すぎる場合、その理由を分析し、適切な経営戦略を策定することが求められます。

2. 投資判断における指標としての活用

投資家視点では、PERを活用することで割安な企業を見つけることができます。例えば、競合他社と比較してPERが異常に低い場合、その企業は市場で過小評価されている可能性があります。

3. 企業の成長性を測る

PERが高い企業は市場の成長期待が大きいことを意味します。成長戦略を策定する際には、PERの動向を確認し、投資家の期待を把握することが重要です。

まとめ

株価収益率(PER)は、企業の収益力と市場評価を示す重要な指標です。経営層としては、PERを単独で判断するのではなく、業界平均や他社比較、企業の成長性を総合的に考慮することが不可欠です。

経営判断の一助としてPERを有効に活用し、株価の適正評価を行いましょう。

【次のステップ】 自社のPERを業界平均と比較し、適正な評価がなされているかを確認しましょう。また、競合他社のPER分析を行い、自社の成長戦略に活かすことも重要です。

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