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【徳島を拠点に全国対応】企業の経営課題を共に解決すべく専門家(社会保険労務士/中小企業診断士)として活動しています。
2025-04-02

社員のモチベーションを最大化する「キャリアアンカー」

はじめに:人材マネジメントのカギは「キャリアアンカー」にある

中小企業経営者や個人事業主の多くが抱える課題、それは「優秀な人材の確保と定着」です。採用難、離職率の高さ、社員のモチベーション低下――こうした問題に直面したとき、単に給与や福利厚生を見直すだけでは根本的な解決にはなりません。

そこで注目したいのが、「キャリアアンカー」という概念です。これは、社員一人ひとりが仕事において何を最も重視しているか、つまり“譲れない価値観”を理解するための考え方です。この記事では、キャリアアンカーの基本から、企業経営への具体的な活用方法までを徹底解説します。


キャリアアンカーとは何か?

キャリアアンカーの定義

キャリアアンカーとは、心理学者エドガー・H・シャインが提唱した概念で、個人がキャリアを選択・継続する際に最も重視する価値観や欲求のことを指します。一度形成されると生涯にわたり意思決定に影響を与えるとされており、個人のモチベーションやパフォーマンスに直結する重要な要素です。


キャリアアンカーの5つのタイプ

1. 管理能力(General Managerial Competence)

組織の中で責任あるポジションに就き、チームや部門を統率することを重視するタイプ。リーダーシップや意思決定にやりがいを感じる人材が該当します。

2. 技術・機能的能力(Technical/Functional Competence)

特定の専門分野でスキルを磨き、プロフェッショナルとして成長したいと考えるタイプ。技術職や専門職に多く見られます。

3. 安全性(Security/Stability)

安定した収入、長期的な雇用、確実なキャリアパスを重視するタイプ。変化よりも予測可能性を重んじる傾向があります。

4. 創造性(Entrepreneurial Creativity)

新しいサービスや製品を生み出すこと、ビジネスを自ら作り上げることに喜びを感じるタイプ。スタートアップ志向の人材が多いです。

5. 自律と独立(Autonomy/Independence)

組織に縛られず、自らの裁量で仕事を進めたいという欲求が強いタイプ。フリーランス志向や個人事業主に多く見られます。


なぜ中小企業経営にキャリアアンカーが必要なのか?

社員の離職を防ぐための“本質的アプローチ”

社員がなぜ辞めるのか。それは「仕事が合わない」「評価されていない」「成長できない」といった表面的な理由の奥に、「キャリアアンカーと実際の仕事が一致していない」という根本的なミスマッチがあるからです。

適材適所の配置が実現できる

キャリアアンカーを理解することで、「この社員はリーダーシップを取りたがっている」「この社員は専門性を追求したいと考えている」といった本音に基づいた配置が可能になります。


キャリアアンカーを組織運営に活かす方法

1. 面談やアンケートでキャリアアンカーを特定する

社員に「どんな仕事にやりがいを感じるか」「今後どうなりたいか」などを聞くことで、おおよそのキャリアアンカーを特定できます。最近ではキャリアアンカー診断ツールなども活用できます。

2. タイプ別に育成・評価制度を最適化

  • 管理能力タイプにはリーダー研修や責任ある業務を。
  • 技術・機能的能力タイプには専門スキル研修や資格取得支援を。
  • 安全性タイプには長期雇用を見据えた福利厚生強化を。
  • 創造性タイプには新規事業の提案機会を。
  • 自律と独立タイプにはフレックスタイム制度や副業支援を。

3. 採用時にも活用できる

キャリアアンカーを採用面接時に確認することで、自社と価値観がマッチする人材を採用することができます。これにより、早期離職のリスクを低減することが可能になります。


中小企業でも実践できる!キャリアアンカー導入のステップ

ステップ1:経営者自身がキャリアアンカーを理解する

まずは経営者・人事担当者自身がキャリアアンカーの考え方を学び、自身のキャリアアンカーを見つけてみましょう。これが導入の第一歩になります。

ステップ2:小さく始める

いきなり全社導入を目指すのではなく、少人数チームや一部署で試験的に導入し、成果を観察しましょう。

ステップ3:制度やカルチャーに組み込む

キャリアアンカーを意識した配属・育成・評価を制度に反映し、継続的に運用していくことが重要です。


よくある疑問Q&A

Q1. キャリアアンカーは途中で変わることはありますか?

A. 一度形成されたキャリアアンカーは基本的に安定していますが、ライフステージの変化などにより若干変化することもあります。

Q2. 小規模企業でも導入可能ですか?

A. 可能です。むしろ個別対応がしやすい小規模企業こそ、キャリアアンカーを活かした人材マネジメントが効果を発揮します。


まとめ:キャリアアンカーを活用し、社員と企業が共に成長する未来へ

キャリアアンカーは、社員の本当の価値観を知る手がかりであり、組織にとっては人材を最大限に活かすための“羅針盤”です。

中小企業や個人事業主こそ、限られた人材をどう活かすかが経営のカギとなります。キャリアアンカーを理解し、経営に取り入れることで、離職率の低下、モチベーションの向上、生産性の向上を同時に実現することが可能です。


今こそ、キャリアアンカーを導入してみませんか?

社員のやる気が続かない、すぐ辞めてしまうとお悩みの中小企業経営者の方へ――今こそ、キャリアアンカーという新しい視点で人材マネジメントを見直すときです。

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