toggle
【徳島を拠点に全国対応】企業の経営課題を共に解決すべく専門家(社会保険労務士/中小企業診断士)として活動しています。
2025-08-28

ToBeモデルとは?未来を描く経営改革の必須ツール

はじめに

中小企業経営において、現状を正しく把握し、将来の理想像を明確に描くことは非常に重要です。その際に活用されるのが「ToBeモデル」です。ToBeモデルは、企業の“あるべき姿”を示す設計図であり、業務改革や組織改善の出発点となります。本記事では、中小企業経営者・個人事業主に向けて、ToBeモデルの基本的な考え方や活用法をわかりやすく解説します。

ToBeモデルの基本概念

ToBeモデルとは何か?

ToBeモデルとは、「将来のあるべき姿」や「理想的な業務・組織の形」を明確化したモデルです。現状を示す AsIsモデル(現状モデル) と対比し、そのギャップを埋めることで、改善すべき課題や改革の方向性が浮き彫りになります。

AsIsモデルとの違い

  • AsIsモデル:現状の業務フローや組織体制を可視化
  • ToBeモデル:目指すべき将来像を設計

この両者を比較する「ギャップ分析」が、改革プロジェクトの第一歩です。

中小企業におけるToBeモデルの役割

経営改善の道しるべ

中小企業では、資源が限られているため「何から手をつけるべきか」が曖昧になりがちです。ToBeモデルを設定することで、改革の優先順位が明確になり、効率的な改善が可能になります。

組織文化の改革

業務改善だけでなく、「あるべき企業風土」を描くことも重要です。社員の意識改革や働き方改革においても、ToBeモデルが指針となります。

DX(デジタル化)推進への活用

近年、多くの中小企業がDXを進めていますが、現状の課題整理と将来像の設計なしでは成功しません。ToBeモデルを描くことで、デジタル化の方向性が明確になります。

ToBeモデルの作成プロセス

1. 現状把握(AsIsモデルの作成)

  • 業務フロー、組織図、ITシステムの利用状況を整理
  • 強みと弱みを明確化

2. 理想像の設定(ToBeモデルの設計)

  • 経営者のビジョンや企業理念を反映
  • 業務効率化、顧客満足度向上、社員の働きやすさを考慮

3. ギャップ分析

  • AsIsとToBeの違いを抽出
  • 優先度の高い課題から改革を進める

4. 実行計画の策定

  • 課題ごとに担当者・スケジュールを設定
  • KPIを設定して進捗管理を行う

ToBeモデル活用の具体例

例1:製造業の業務改善

  • 現状(AsIs):紙ベースの受注管理でミスが多発
  • 理想(ToBe):クラウドシステム導入でリアルタイム管理
  • 改革課題:システム導入と社員教育

例2:サービス業の人材育成

  • 現状(AsIs):属人的な接客スキル
  • 理想(ToBe):標準化されたマニュアルと研修体制
  • 改革課題:マニュアル作成とOJT制度構築

ToBeモデル導入のメリット

  • 経営戦略と現場改革の一貫性が取れる
  • 社員の共通認識を形成しやすい
  • 改善活動の優先順位が明確になる
  • 長期的な企業成長を見据えた施策が打てる

まとめ

ToBeモデルは、中小企業が持続的に成長するための「未来への設計図」です。現状把握(AsIs)と理想像(ToBe)のギャップを明確にすることで、取り組むべき課題が見える化されます。業務改善から組織文化の改革、さらにはDX推進まで幅広く活用可能です。

中小企業経営者・個人事業主の方は、ぜひ自社における「ToBeモデル」を描き、未来のあるべき姿を実現する一歩を踏み出してください。

[監修:社会保険労務士・中小企業診断士、島田圭輔]

人事評価・賃金改定のことなら「社会保険労務士法人あい」へ

お問い合わせフォーム

関連記事