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【徳島を拠点に全国対応】企業の経営課題を共に解決すべく専門家(社会保険労務士/中小企業診断士)として活動しています。
2024-01-24

年収の壁・支援強化パッケージ「106万円の壁への対応」概要

政府が決定した「年収の壁・支援強化パッケージ」には、「106万円の壁への対応」という重要な施策が含まれています。これは、特にパートやアルバイトで働く人たちの労働環境を改善することを目的としています。

これまで、多くのパートやアルバイト労働者は、「106万円の壁」と呼ばれる所得の限界に直面していました。これは、年収が106万円を超えると、社会保険料の支払い義務が発生し、手取り収入が減少するという問題を指しています。これにより、多くの労働者が所得を抑えるために働き方を調整し、結果的に企業における人手不足が深刻化していました。

この問題に対応するため、令和5年10月から、以下の施策が実施されます:

  1. 社会保険適用促進手当の支給: 社会保険料が算定対象外となる手当の支給。
  2. 基本給の賃上げ: 手取り収入を減らさないために基本給を増額。
  3. 所定労働時間の延長: 労働時間を延長して収入を増やす。

これらの取り組みを行った企業には、労働者一人当たり最大50万円までの「キャリアアップ助成金(社会保険適用時処遇改善コース)」が支給されます。この助成金は、特定適用事業所に限らず、条件を満たす事業所であれば受給可能です。

この施策の重要なポイントは、企業が従業員の手取り収入を減らさないように努めることです。これにより、従業員が106万円の壁を超えても収入が減少しないようにし、同時に企業の人手不足を解消することが期待されています。

この「年収の壁・支援強化パッケージ」は、従業員と企業双方にとってメリットが大きい施策と言えます。企業にとっては、労働力の確保と従業員の満足度向上が見込め、従業員にとっては所得の向上と安定した雇用環境が提供されることになります。これにより、日本の労働市場において、より柔軟で持続可能な働き方が促進されることが期待されます。

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